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コロナ後もテレワークを!社労士が語る「“柔軟な働き方”をいまこそ推進しよう」


目次[非表示]

  1. 1.テレワークとは何か
    1. 1.1.テレワークの種類
    2. 1.2.テレワークとリモートワーク
  2. 2.テレワークが注目を集めている理由
    1. 2.1.働き方改革「柔軟な働き方がしやすい環境整備」の一環
    2. 2.2.東京オリンピック対策(テレワークデイズ)
    3. 2.3.新型コロナウイルス対策(3密防止)として喫緊の課題となった。
  3. 3.いまからすぐチェックすべきポイント
    1. 3.1.基本的な考え方
    2. 3.2.就業規則
    3. 3.3.就業場所
    4. 3.4.労働時間管理
    5. 3.5.過重労働対策
    6. 3.6.労働災害防止対策
    7. 3.7.執務環境(VDT 環境など)
    8. 3.8.メンタルヘルス
    9. 3.9.人事評価
  4. 4.これからテレワークを導入するために考えておくこと
    1. 4.1.技術の壁
    2. 4.2.制度の壁
    3. 4.3.こころの壁
  5. 5.テレワークこそが未来をひらく
    1. 5.1.業務生産性の向上
    2. 5.2.新規雇用促進・離職防止
    3. 5.3.社員のワーク・ライフ・バランス向上
    4. 5.4.コスト削減
    5. 5.5.事業継続性の確保
  6. 6.参考サイト・相談窓口
    1. 6.1.厚生労働省「テレワーク総合ポータルサイト」
    2. 6.2.一般社団法人日本テレワーク協会(JTA)
    3. 6.3.株式会社テレワークマネジメント
    4. 6.4.東京テレワーク推進センター
  7. 7.まとめ
  8. 8.あわせて読みたい


いまだ収束していない新型コロナウイルス感染症への対策として、各企業で急速に導入が進んだ「テレワーク」。


そもそも、テレワークは「働き方改革実行計画」の中で「柔軟な働き方がしやすい環境整備」の一環として取り組まれてきた課題です。


今回テレワークを導入したことで数多くのメリットに気付かされた企業も多いと思いますが、新型コロナウイルス収束後もテレワークを継続する、またこれからテレワークの導入を進める場合は、改めて問題点と今後の対応を検討する必要があります。


今回は社会保険労務士で健康経営エキスパートアドバイザーとしても活躍される玉上 信明先生に、テレワークの意義や導入に際し人事労務担当者が意識すべきこと、将来の展望を伺いました。



テレワークとは何か

テレワークは「情報通信技術(ICT=Information and Communication Technology)を活用した時間や場所を有効に活用できる柔軟な働き方」です。


Tel(離れて)+Work(仕事)という造語であり、本拠地のオフィス以外の場所からICTをつかって仕事をすることです。


自宅で働く「在宅勤務」、移動中や出先で働く「モバイル勤務」、 本拠地以外の施設で働く「サテライトオフィス勤務」があります。


これまで我国でテレワークをしている人はそれほど多くなく、しかも「終日在宅勤務」というよりは、限定的に週1~2回とか一定の時間帯だけというのが普通でした。


ところが、緊急事態宣言のもと新型コロナウイルス感染症予防のために、十分な準備もないままに終日在宅勤務というケースが急増しました。特に新型コロナウイルス収束後もテレワークを継続するという場合は、もう一度冷静にテレワークの進め方を見直すべき時期でしょう。


テレワークの種類

テレワークの区分

出典:厚生労働省「テレワーク総合ポータルサイト


①在宅勤務

自宅での仕事を指します。以前はテレワークといえば在宅勤務を指していました。しかし、私生活の場である家庭に、いわば職場を持ち込むことです。運営に当たっては、様々な考慮が必要です。


②モバイル勤務

移動中の交通機関や顧客先、カフェ、ホテル、空港のラウンジなどで働くことです。

営業の担当者などが隙間時間・待機時間に業務を行うとか、直行・直帰の時間を活用するなどで通勤時間を縮減でき、ワーク・ライフ・バランスにも役立つとされます。


③サテライトオフィス勤務

本拠地のオフィス以外の場所のオフィスで仕事をすることです。「サテライト」は英語の「satellite(衛星)」です。本社を中心にオフィスが衛星のように存在するイメージです。自社独自のサテライトオフィスだけでなく、様々な会社の共用サテライトオフィスも増えています(後述 参考サイト・相談窓口でサテライトオフィスの探し方もご紹介します)。

参考:厚生労働省「テレワークの定義


テレワークとリモートワーク

リモートワークは、元々はITエンジニアやWebデザイナーなどが、オフィス以外の場所にいながらチャットやSNSを使ってチームを組んで仕事をする働き方を指している言葉であり、離れた場所で働くという点ではテレワークと同じです。


我国では、テレワークという言葉が「ICTを用いた時間や場所にこだわらない柔軟な働き方」の全体を指すものとして政府の公式な用語になっています。本稿では、テレワークという言葉に統一します。



テレワークが注目を集めている理由

テレワークが注目を集めている理由を、少し歴史を振り返って確認しましょう。


働き方改革「柔軟な働き方がしやすい環境整備」の一環


2017年3月策定の「働き方改革実行計画」のメニューとして「5.柔軟な働き方がしやすい環境整備」という項目が定められています。そこでテレワークの重要性が示され、普及促進が求められています。これが現在の大切な出発点と見るべきでしょう。


テレワークは、時間や空間の制約にとらわれることなく働くことができるため、子育て、介護と仕事の両立の手段となり、多様な人材の能力発揮が可能となる。(中略)

我国の場合、テレワークの利用者は、いまだ極めて少なく、その普及を図っていくことは重要である。


他方、これらの普及が長時間労働を招いては本末転倒である。労働時間管理をどうしていくかも整理する必要がある。ガイドラインの制定など実効性のある政策手段を講じて、普及を加速させていく。


この計画を受けて2018年2月に「情報通信技術を利用した事業場外勤務の適切な導入及び実施のためのガイドライン」が制定されています(以下「ガイドライン」)。


テレワークを考えるときの基本的な道標です。ご一読をお薦めします。


東京オリンピック対策(テレワークデイズ)


「テレワーク・デイズ」は、オリンピック・パラリンピック東京大会開催中の交通混雑緩和と、全国的なテレワークの定着を目的とした、テレワーク一斉実施を呼びかける国民運動です。2017年から2019年にかけて開会式予定日7月24日前後に実施されました。参加された方も多いのではないでしょうか。2012年のロンドン大会でも交通混雑緩和に役に立ったとされています。


新型コロナウイルス対策(3密防止)として喫緊の課題となった。

今回の新型コロナウイルス対策では、「3密を避ける」ということが至上命題になり、各企業でテレワークが始まりました。十分な準備もないまま突っ走ったと言うべきでしょう。


本来、テレワークは業務の環境が整った場所で行うべきものです。しかし、会社に行けない、子供たちも学校休業、配偶者も在宅、作業環境も十分に整わないまま、過酷な環境に追い込まれたともいえます。


また、ご本人やご家族に家族にハイリスク者がいる(持病、高齢、女性従業員や配偶者の妊娠)などから、テレワークに取り組まざるを得なかったケースも多数あったでしょう。

 

いまからすぐチェックすべきポイント

既にテレワークを進めている方、早急に進めようと考えている方は、まずこの点だけは再度確認してください。


基本的な考え方

テレワークは自宅など離れた場所での勤務です。基本的な注意点はオフィスでの業務と同じです。労働基準法などの各種法令はそのまま適用されます。労働時間管理も当然に必要です。労働安全衛生や労働災害防止対策等も一般のオフィス勤務と変わりません。


就業規則

テレワークは勤務場所の問題であり、本来は就業規則の整備が必要でしょう。


但し、今回は、新型コロナウイルス感染症対応という緊急事態です。


就業規則の整備がすぐにできなくても、労働者との合意による個別労働契約の改定として対応は可能です。就業規則は労働契約の共通の最低限の条件を示したものです。個別の労使合意があれば、就業規則よりも労働者に不利にならない限り、就業規則と異なる労働契約を定めることは問題ありません。


なお、とりわけ在宅勤務は、個人の家庭というプライベートな場所を勤務場所にするものです。労働者が拒否する場合には、会社から強いることはできないと考えられています。


厚生労働省の「ガイドライン」では、テレワークの対象者であっても「実際にテレワークを行うか否かは本人の意思によることとすべきである。」と明記されています(ガイドライン本文3.(1))。


就業場所

自宅やサテライトオフィスなど就業の場所は明確にすべきです。


在宅勤務でも時にはファミリーレストランなど別の場所での執務を認めるのなら、その旨を就業規則や労働契約などで明確に記載すべきでしょう。


労働時間管理

テレワークは、時間や空間の制約のない柔軟な働き方ですが、対応を誤ると、長時間労働になりかねません。働き方改革実行計画でも次の通り指摘されています。


これらの普及が長時間労働を招いては本末転倒である。労働時間管理をどうしていくかも整理する必要がある。


テレワークは、会社と通信回線で結ばれています。労働時間管理の技術的問題は容易に解消できるはずです。様々な管理ツールも用意されています。労働時間管理が徹底しているか、問題がないか、しっかり確認してください。


テレワーク固有の問題として、家事やお子様の送り迎えなど、一定程度労働者が業務から離れる時間が生じやすいという問題があります(いわゆる中抜け時間)。


休憩時間や時間単位の年次有給休暇などとして取り扱う事が考えられます。労使で話し合ってルールを定めてください。


なお「事業場外みなし労働時間制」の適用は殆んど考えられないでしょう。


これは「使用者の具体的な指揮監督が及ばず、労働時間を算定することが困難」という場合に、所定労働時間働いていたとみなす制度です(労働基準法第38条の2)。テレワークはオンラインで使用者の指揮監督の下で働き、労働時間の算定も難しくはないはずです。


過重労働対策

「テレワークでは社員がサボる」と心配する人が多いようです。


実際はその逆で、仕事ぶりを間近でチェックする人がいないだけに、むしろ長時間労働になりやすいのです。


厚生労働省の「ガイドライン」では、長時間労働防止のために、例えば、次のような提案が行われています。


① メール送付の抑制

時間外、休日、深夜に業務の指示・報告がメール送付されるのを避ける。

②システムのアクセス制限

深夜休日などには外部パソコンからシステムへのアクセスができないようにする。


労働災害防止対策

テレワークの場所は業務の場所です。自宅であろうとも労災防止対策は通常のオフィスと同様です。在宅勤務中にトイレから帰って椅子に座ろうとして転んでケガをしたケースでも労災が認められています。人事労務担当者としては、従業員に次項の執務環境の確認の重要性をしっかり説明し、チェックリストなどを用意してチェックしてもらうなど配慮が必要です。必要に応じて作業現場(ご自宅)を現認することも考えたほうが良いでしょう。労災防止には万全を尽くしてください。


執務環境(VDT 環境など)

テレワークとりわけ在宅勤務は、普通の家庭を職場とするものです。


人事労務担当者としては、産業医ともしっかり連携して環境を整えるための基準を明確にし、従業員に周知してください。突然のテレワークで執務環境のチェックが疎かになっている可能性があります。従業員任せにしてはいけません。労災事故などが起これば、会社として安全配慮義務違反が問われかねません。


照明などのVDT 環境のみならず、足元のスペース確保など細かなところへの配慮が必須です。転倒災害だけでも重大事故を引き起こしかねません。


テレワークチェック

出典:総務省セミナー資料「テレワーク実施時の労務管理上の留意点


テレワークに関する総務省のセミナー資料では、照明や湿度、作業場所周囲のチェック、一つの作業を一時間以内など、細かな注意が示されています。ぜひ一度チェックしてみてください。


またレノボ・ジャパンが提供する「テレワークスタートガイド」では、レノボグループが過去約4年半にわたって自社でテレワークを実践する中で蓄積した、在宅勤務の業務環境、作業環境(チェックリストと根拠法令等)などがまとめられていますので、是非ご参考ください。


メンタルヘルス

テレワークは、仲間と離れた孤独な作業環境です。周りには相談相手もいません。本人の状況を気づかってくれる上司や仲間もいません。それどころか、家事の負担や、学校休校中ならばお子様の世話も必要でしょう。


テレワーク環境下では職場での執務と違って心理的な負荷が大きくなりがちです。メンタル不調になる方も生じかねません。


定例的にオンライン会議で職場の仲間と状況を話し合うことを促したり、ちょっとした無駄話の時間も作るように勧める方が良いかもしれません。


メンタルヘルスにはオフィス内の業務と異なる万全の対応が必要です。産業医としっかり連携して対応してください。


人事評価

人事評価への不安は、テレワークで必ず問題視されます。経営者、管理監督者、人事担当者はいうまでもなく労働者本人が一番不安に思うことです。顔が見えないままにどのように評価するのか、評価されるのか、疑心暗鬼になりかねません。


しかし、そもそも会社の中で机を並べて仕事している部下について、管理者はどのように人事評価をされているのでしょうか。仕事ぶりを客観的な指標等に基づいて正確に評価されているでしょうか。外見だけで、たとえば長時間残業しているから仕事熱心だ、とか、そんな程度のことで評価していないでしょうか。


この機会に、本当に適切な人事評価とは何かをしっかり考え直すべきです。


なお、人事評価への不安は、心理的な面が大きく、なかなか表面には現れて来ません人事部としてしっかり受け止め、必要に応じて産業医と連携して、面接やストレスチェック、集団分析などでメンタル不調を避ける工夫も必要と思われます。


 

これからテレワークを導入するために考えておくこと

これからテレワークの導入を考えている方のために基本的なポイントをご説明します。


多くの思い違いから、テレワーク導入に尻ごみしている方をよく見かけます。


既に導入済みの企業の方であっても、ぜひ一読いただき、漏れがないか、もっと適切な方法がないかをチェックしてみてください。


テレワークの三つの壁としてご説明します。「技術の壁」「制度の壁」「こころの壁」です。


技術の壁

莫大な費用・手間がかかる?

テレワークのサポートはいまや花盛りのビジネスですが、もはや厳しい競争の渦中、すなわちレッドオーシャンです。導入費用、運営費用は著しく安くなっています。


運営もとても簡単です。例えば、ともかくオンライン会議ZOOM を試してみられてはいかがでしょうか。要するにテレビ電話です。テレビと電話が使える人なら多少まごついてもすぐ使いこなせるでしょう。無料のアカウントだけでも大概の事はできます。


新型コロナウイルスに限りません。台風、地震などで出社が困難なときに自宅からテレワークで会社の会議に参加する、遠隔地の拠点から本社と会議をする、さらにはお客様とのちょっとしたやりとり程度であれば、わざわざお邪魔しなくてもオンライン会議で十分用が足りるはずです。


時間空間を超えた新しい仕事のやり方の世界が広がるでしょう。


情報漏洩が心配?

これもよくある誤解です。しかし、ベネッセ個人情報流出事件など大規模情報漏洩はむしろ社内で発生しています。

テレワークでやりとりされるのは当該業務の関連情報だけです。テレワーク従事者が情報漏洩すれば、すぐバレてしまいます。


また、最近のシステムは「シンクライアント*」として処理を原則すべてサーバー側で行わるのが一般的です。端末側には最小限の機能しかありません。極端に言えば「空の箱」です。情報は本社のサーバーにあり、社外テレワーク端末からの情報漏洩リスクは小さいものなのです。


*…シンクライアント:「薄い」という「Thin(シン)」と「Client(クライアント)」から成り立っている造語です。


制度の壁

就業規則

テレワークをするには厳格な就業規則を作らないといけない、というのも誤解です。ご自分の会社の業務に合わせて最低限の対応をしていけばよいのです。運営状況を見ながら少しずつ規則を整えていけば足りるでしょう。


テレワークでできる仕事とできない仕事がある

これも大きな誤解です。テレワークでできる仕事を切り出すことに注力して、何もできずに立ちどまってしまう会社が見受けられます。


しかし、実際に試してみれば、できない仕事というのはそれほど多くはありません。


味の素では工場勤務者がテレワークをしており、「生産計画の立案や報告書の作成などは工場の中でなくてもできます。また、安定稼働している状態であればIoTなどの活用で遠隔監視も可能です」と、工場でもテレワークを実践できているという事例があります。


【参考記事】


紙とハンコの文化

自社で対応しようとしても取引先が紙とハンコを求めてくる、そのためテレワークができない。そんな声もよく聞きます。しかし、技術的な対処が様々できるようになっています。


取引先が首をかしげるなら、むしろこちらから提案して差し上げましょう。それが取引先のためにもなるのです。


【参考記事】


こころの壁

一番大きいのは心理的な壁ではないでしょうか。要するに単なる思い込みや根拠のない畏れです。


新型コロナウイルスは、幸か不幸かこのような「こころの壁」ためらいを許さなくなったのです。これを機会にこころの壁をうち破っていきましょう。


コミュニケーション・相互の尊重の気風

離れたところにいたらコミュニケーションができない、というのも思い込みです。場所が離れているからこそコミュニケーションの工夫が必要なのは事実ですが、ちょっとした工夫で解消できます。毎日、定期的に話し合う時間を設けてみましょう。それだけでもお互いを支えあうことができるでしょう。


このようなメンタルな問題にこそ産業医の知見を活用していただきたいと思います。


ゾンビルーチンを削減しよう

ゾンビルーチンとは、様々な業務上のルールや慣習などで、実際には役に立たず無駄なものなのに、ゾンビのように組織の中に巣くうルール・慣習のことを指します。


テレワークに取り組むと、無駄な慣習、無駄な会議、無駄な出張など、ゾンビルーチンが浮かび上がってくることもあるかもしれません。これを機に、浮かび上がったゾンビルーチンは減らしてみましょう。


なお、ZOOMオンライン会議においては、出席者の顔が画面上で平等に表示されます。そのため、若い社員でも平等な参加者として活発な意見を出す、という傾向が明確に見られます。


リアルの会議の場で、左右を伺い上司の顔色をうかがって押し黙っているのとは全く違う雰囲気になります。ぜひお試しください。


テレワークこそが未来をひらく


実は、テレワークにこそ業務生産性やワーク・ライフ・バランスの向上など、効果・効用がたくさんあります簡単にご説明します。

テレワークの導入効果

出典:厚生労働省テレワーク綜合ポータルサイト>効果・効用

業務生産性の向上

在宅勤務も、やってみれば集中して業務ができ生産性が上がる、という声が多いようです。電話や来客、上司・同僚などからの話しかけに煩わされないからです。


新規雇用促進・離職防止

女性社員の妊娠・出産・育児との両立にテレワークは有効です。新卒採用にも効果が大きいでしょう。病気治療と仕事の両立、介護と仕事の両立にも役に立ちます。介護離職防止という視点でも、これから避けて通れない問題となるでしょう。また障害を持つ方にも就業の機会を提供できるでしょう。通勤の負担がなくなるだけで大きなチャンスが生まれます。


社員のワーク・ライフ・バランス向上

テレワーク以前まで費やしていた通勤時間を自己啓発にも使えます。睡眠時間や家族と過ごす時間も増えるでしょう。保育園の送り迎え、介護や家事の時間にも活用できます。


コスト削減

顧客先や現場への直行・直帰で、移動時間が減り、交通費や残業代も削減できます。


本拠地のオフィス人員も減らせます。もっと小さなオフィスで良いのではないか、といった大きなコスト削減にもつながっていくでしょう。


事業継続性の確保

テレワークは事業継続性の確保(BCP:Business Continuity Plan)にも有効です。

新型コロナのパンデミックに限りません。東日本大震災後には首都圏の交通機関が混乱しましたが、IT企業や外資系の企業などテレワーク先進企業は、テレワークの活用で業務継続を果たしました。

大雪・台風・地震などのさいの無駄な長時間通勤・交通渋滞など、テレワークで一気に解決します。


参考サイト・相談窓口

ここで各種の参考サイトや相談窓口をまとめました。

厚生労働省「テレワーク総合ポータルサイト」

テレワークの基本的な情報、資料紹介、実施事例、無料コンサルティングなどがまとめられています。サテライトオフィスも紹介されています。


一般社団法人日本テレワーク協会(JTA)

テレワークを緊急導入される企業等向けに、JTA会員企業・団体によるテレワーク緊急導入支援プログラムが紹介されています。


株式会社テレワークマネジメント

同社代表田澤由利様が日経ビジネスに投稿された次の記事はぜひお読みください。

「新型コロナウイルス対策に「テレワークの正論」は通じない!」

また、【緊急LIVEセミナー】録画公開|緊急事態宣言下における「今できる、今すべき、テレワーク」が公開されています。


東京テレワーク推進センター

東京都と国が設立したワンストップ相談サービスセンターです。実際のテレワーク体験も可能です。飯田橋駅の近くです。近郊の方は機会があればぜひ訪問してみてください。


まとめ

新型コロナで降って湧いたようにテレワークが脚光を浴びています。危機のときにこそ本当に必要なものが浮かび上がってくるのでしょう。


ためらってはいけません。会社として従業員と家族を守る、お客様を守る、お取引先を守る、そのためにも感染予防の肝として、テレワークの検討は避けて通れません。


しかし、テレワークは単なる感染症対策にとどまるものではありません。


いま「SDGs」が花盛りです。(「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」SDGs(エス・ディー・ジーズ))


まさにテレワークこそ、そのために真っ先に取り組むべきことと思われます。


健康と福祉、ジェンダー平等、働きがいと経済成長、産業と技術革新・・・これらすべてにテレワークは役立ちます。


欧米諸国と比べて我国のテレワーク導入比率は見劣りしていたといわれます。勤勉で真面目な人材が多かったことから、多くの企業はテレワークの導入をはかってこなかったのではないでしょうか。


いま、テレワークについて真摯に検討することは、新型コロナウイルス騒動以降においても企業が存続していくうえで必要なことかもしれません。新しい未来を開くためにも、覚悟を持って対応していくべきです。

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玉上 信明(たまがみ・のぶあき)
玉上 信明(たまがみ・のぶあき)

社会保険労務士玉上事務所(https://srdoraneko.amebaownd.com/) 社会保険労務士/健康経営エキスパートアドバイザー/ 日本公認不正検査士協会アソシエイト会員(https://www.acfe.jp/) 日本紙芝居型講師協会会員(https://todotakehisa.themedia.jp/) 三井住友信託銀行株式会社入社後、年金信託・法務・コンプライアンス部門などを担当。 定年退職後、2017年1月に社会保険労務士玉上事務所を開業し人事労務管理コンサルティングなどをおこなう。セミナー講演やメディアへの記事掲載、ブログも執筆中。 ブログ:虎猫銅鑼猫「toranekodoranekoのブログ」 最近の講演:2019年6月公益社団法人全国産業資源循環連合会第9回定時総会

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