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産業医との契約形態にはどのようなものがある?種類と特徴について詳しく解説!

事業場(本店・支店に関わらず)の従業員数が50人以上になったら選任義務が生じる産業医。
選任義務が必要になったら、産業医を見つけ会社としてのニーズや状況、そして産業医側の希望なども配慮しながら契約形態を決めなければならないため「産業医との契約の仕方」はしっかりと把握しておいたほうが良いでしょう。


産業医と直接契約を結ぶか、間に企業を挟むか

産業医との契約にはいろいろなケースがあり、まず大きく、産業医と企業が個別で直接契約を結ぶケースと、間に企業などを挟んで間接的に契約を結ぶケースに分かれます。
その中でも今回は、多くの企業に普及している「産業医と直接契約する場合」について掘り下げます。


産業医は「業務委託契約or雇用契約」が一般的

直接契約の場合、一般的には雇用契約もしくは業務委託契約の2つの形態があります。
それぞれの契約の特徴をしっかり把握した上で、事業場の実情にあった契約を産業医と結ぶことが大切です。では、1つずつ見ていきましょう。

◆ホワイトカラーでも一般的な【雇用契約】

通常のスタッフと同様に産業医についても雇用契約を結ぶケースは少なくありません。いろいろな企業でお話を聞いてみると、契約社員や嘱託社員、という名目で雇用をしていることが多いようです。

ところで、産業医は医師なので産業医のアルバイトだけで生計をたてているひとは、ほんの一握りです。つまり、嘱託産業医など月に数回の産業医業務を行う方々は基本的には正職員先として病院やクリニックで働いていることがほとんど。そうすると、雇用契約を結ぶにあたり、”正規雇用”されている産業医資格を有した医師と別に雇用契約を結ぶということは、まだまだ一般の感覚からは違和感があるのではないでしょうか。少しずつ一般職でも兼業可能な企業も増えている中にあってもまだまだ日本では正職員の兼業については浸透していない部分が多いかと思います。

しかしながら、医師の世界では正職員として務めていても、アルバイトを行うことはとても当たり前の慣習となっています(「外勤」や「外務」という言葉でしばしば表現されます)。よくあるのが、本務先で週4日や週4.5日勤務し、週1日は別の施設で働くという状況です。一部、国公立の病院では公務員という待遇となる為、アルバイトはできませんがそうでない医療機関のほとんどは医師のアルバイトを認めています。

そういった背景もあり、病院やクリニックで働く産業医資格を有した医師と雇用契約を結んだ上で、産業医業務をお願いすることは一般的に行われているのです。


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◆業務の独自性や専門性から【業務委託契約】も多い

雇用契約は一般的なホワイトカラーの社員やアルバイトと同様なのでわかりやすいですが、業務委託契約については、ピンと来ない方もいらっしゃるのではないでしょうか。

使用者が労働者として指揮監督下で”労務”の対価として報酬を支払う雇用契約と異なり、業務委託契約では依頼された”業務”の対価として報酬を支払うこととなります。
業務委託の場合は、合意された業務のみを行い、業務の進め方やいつ行うか、どこで行うかなどは受託側に裁量があります。つまり、使用者と労働者という上下の関係ではなく対等の立場で業務を依頼する方法です。

産業医は必要があれば、社長や総務部長・人事部長など役職者などに対し、従業員の健康管理について勧告しなければなりませんので、産業医が企業から報酬をもらいつつも、一定の裁量と独立性が保証されている業務委託契約を選択することには一定の意味があります。

ただ、雇用の上である一定の時間を拘束し、その中で自由度をもって仕事を依頼できる雇用契約と異なり、業務委託契約の場合は、契約時点でどういった業務を依頼するのかを明確にし、対業務への報酬などもしっかり事前に設定・合意する必要があります。産業医業務対する理解が必要な分、はじめて産業医を選任する場合に自社の力だけで実情の伴った業務委託契約を結びかわすのは、ハードルが高い部分があるかもしれません。


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産業医との契約時に必要な準備物

契約時には、所轄の労働基準監督署に必要な書類を提出する必要があります。
必要な書類というのは以下の3つです。

  • 産業医選任報告書・・・厚生労働省がウェブサイトの公開している様式です。
  • 医師免許のコピー
  • 労働安全衛生規則第14条第2項に規定する者であることを証する書面(または写し)・・・産業医であることを証明する書類です。後述の1~7に当てはまることが労働基準監督署に分かれば問題ありません。例えば、1は日本医師会の認定を受けている医師で、2は産業医科大学を卒業している医師です。

<労働安全衛生規則第14条第2項>

  1. 労働者の健康管理等を行うのに必要な医学に関する知識についての研修であって厚生労働大臣の指定する者(法人に限る。)が行うものを修了した者
  2. 産業医の養成等を行うことを目的とする医学の正規の課程を設置している産業医科大学その他の大学であって厚生労働大臣が指定するものにおいて当該課程を修めて卒業した者であって、その大学が行う実習を履修したもの
  3. 労働衛生コンサルタント試験に合格した者で、その試験の区分が保健衛生であるもの
  4. 学校教育法による大学において労働衛生に関する科目を担当する教授、准教授又は講師(常勤勤務する者に限る。)の職にあり、又はあった者
  5. 前各号に掲げる者のほか、厚生労働大臣が定める者

引用元:産業医の関係法令 - 厚生労働省


産業医との契約更新は必要なのか

契約の更新が必要なのかは、選任時の契約方法や内容によります。
直接契約の場合は、契約書に記載した内容を確認しましょう。
紹介会社経由で業務委託契約を行っている場合は、1年ごとに自動更新することが多くなっています。更新料が必要な紹介会社もありますので、きちんと確認するようにしましょう。

また、更新のタイミングで契約中の産業医を見直すこともあるかと思います。
もし期待するような役割を果たしてくれない場合、紹介会社経由で契約しているのであれば、まずその会社の担当者に相談しましょう。
注意しなければならないのは、産業医を設置する義務がある従業員が50名以上勤務する事業所です。
産業医を解任してから14日以内に、新しい産業医を専任する必要があります。もちろん、契約時に必要な書類を新たに用意しなければなりません。

産業医を変更したいと考えたら、まずは新しい産業医の探し始めることをオススメします。
更新を止めてから探し始めると、労働安全衛生規則に定められた14日以内の専任を行えない可能性があります。


「産業医との契約」についての注意点

なお、産業医と契約の話をするときは、これ以外にも注意が必要です。
医師という職業やキャリアの特性や独特な慣習などをよく理解しておかないと思わぬ誤解や不信を招くことがあります。

たとえば、先にご紹介させていただいた、「外勤」という文化ひとつとっても、通常の休日の他に、”研究日”という名称で別の施設で働くことは、医師の世界では一般的ですが、普通に働いている方々からすると、週4日だけ働いて、週1日は自由にバイトして良いというのは滅多にきかない話です。

また、「報酬」や「業務内容」に関しても、機微に触れる繊細な問題になりかねません。
人の命や健康を救う仕事をしている医師は、その仕事にプライドをもってされている方が多く、産業医でなくてもできる仕事までお願いされるのは避けたい方もいらっしゃいます。ビジネスの世界では業務とお金の部分をすぐに結びつけがちなところがありますが、医療に関しては必要性に応じておこなうものなので「これだけのお金を支払っているのだから、もっと多く面談を行ってほしい」とお願いすることは手術の必要ない人に手術をお願いしているようなもので、タブーと考えておいたほうが無難でしょう。

嘱託産業医のなかには、本業の病院での激務をこなしながら企業で働いている人もいます。企業の要請があったからこそ、忙しい中にあっても産業医を引き受けている人も少なくないのです。
そして、企業が産業医とトラブルを起こし契約破棄となった場合、次の産業医を採用するのに苦労するでしょう。

そのため、企業が産業医を探したり契約したりするときは、医師のことを理解している医師紹介会社などの第三者を間にいれたほうがスムーズにいく場合もあるかと思います。

「産業医をどう探したらいいのかわからない…」という方はこちら
「産業医の報酬相場ってどのくらい?」という方はこちら


まとめ
~自社の状況や産業医の希望も踏まえて契約を~

ここまで述べてきたように、ホワイトカラーのスタッフを雇うときとは異なる注意点や配慮、知識が必要となることが多いのが産業医の選任です。自社の都合だけでなく、産業医の希望なども十分に聞いた上で、契約を進める必要があります。医師の理解なしに話を進めることは不要なトラブルの原因にもなりかねません。
十分な知識などをつけた上で対応するには産業医の選任は”待ったなし”というケースも多いかと思いますので、その際は一度、医師のことをよく理解している産業医顧問企業や医師紹介会社などに話を聞いてみることをおすすめします。


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