catch-img

従業員の復職面談はどうすればいい?流れや方法を分かりやすく解説!

従業員が休職後に職場への復帰を進める場合、問題なく復帰ができるのか悩む人事担当者も多いのではないでしょうか。その問題点の解決策の一つとして、復帰前に対象者と面談をして、復職できるかどうかの見極めをすることが重要です。この記事では、復職面談の事前準備や、面談を行う際のポイントについて分かりやすく解説していきます。


1.復職面談の目的とは?

復職面談とは、簡単にいえば、心身の不調において休職していた従業員が、職場復帰をする前に行う面談のことです。復職面談の目的には、どのようなことがあるのかについて解説していきます。

1-1.休職者が職場で仕事ができるのかを判断する

復職面談を実施する目的の一つとしては、当然まずは休職者が職場で仕事ができるのか、その判断材料にすることが挙げられます。休職の理由は、病気やけが、または育児や出産、親の介護など、さまざまです。それらが解消されている状況にあるかどうかを、面談によって判断していきます。面談は、主に人事労務担当者や産業医、ときには直属の上司が参加して、休職者本人を対象に行っていきます。面談においては、休職者が職場で仕事ができるのかを判断する場合、立場によって役割が異なるということについて、理解を深めておきましょう。

まず、 産業医の場合は、健康管理などの観点から面接を進めていきます。対象者が就業できる健康状態なのか、症状は全快しているかどうかなど、健康面での総合的な判断から、復職可能かどうかを決めていきます。一方、企業の人事労務担当者は、休職者が決められた時間に出社し、待遇に見合った労務提供が可能かどうかを判断することが、その役割です。より実務的な目線で判断していくことが重要だといえるでしょう。

1-2.休職となる原因の再発防止

二つ目の目的が、再休職・休職原因の再発防止です。会社で決めた休職期間が、一般的にみて、2~3カ月間など短い場合は、期間内に復職ができなかったり、復職できてもすぐに再休職してしまったりする可能性が高くなってしまいます。そのため、相応の時間を設定することが大切です。さらには、場合によっては、復職に向けたリハビリテーションを行っている専門家のプログラムが必要でしょう。

休職中や復帰後の面談を通じて、休職者が自分が不調になる仕組みや原因に気付くことが大切です。そのうえで、セルフケアができるようになることを目的として、休職となる原因の再発防止を行っていきます。具体的な再発防止策は、対象者の休職となった原因により、さまざまです。ある程度時間をかけてでも、再度起こってしまわないように、しっかりと面談で解決していくことが大切です。

2.復職面談をするにあたって行っておきたいこと

復職面談においては、スムーズに行うためにいくつかしておきたいことがあります。この段落では、それらについて紹介していきます。

2-1.復職できるのかについて主治医の診断書を提出してもらう

休職者がいざ復職をする場合には、基本的には本人の意思だけで復職させることは少ないです。これは、本人が冷静に自分の状況を判断できる状態ではない場合も考えられるためです。病気やけがを理由に休職して復職をする際には、必ず主治医の診断書を提出してもらうようにしましょう。その際、できるだけ休職者本人に直接、診断書を持参してもらうことが大切です。直接会社へ持参してもらうことで、面談前に現在の状況や本人の体調などについて、詳しく話すことができます。聞き取った内容はメモなどで記録に残しておきましょう。そのメモをもとにすれば、より復職面談をスムーズに行うことも可能です。

2-2.休職者の家族からの意見も聞く

可能であれば、休職者の家族からの意見を聞いておくことも重要です。特に、休職者に同居している家族がいる場合は、事前に休職者の生活リズムや精神状態をヒアリングしておきましょう。家族は、休職者にもっとも近い存在でもあります。休職者の状況をより詳しく把握している場合がほとんどです。家族がまだ無理だろうと判断する場合には、重要な参考意見として判断基準に取り入れておきましょう。

また、家族がまだ早いと判断していても、休職者が復職を望む場合もあります。特に、責任の重い役職に就いている場合などは、それがより顕著だといえます。その場合には、家族から休職者に対し、復職を待って療養期間をしっかり取るよう説得してもらうことも大切でしょう。




3.復職面談で休職者を見極めるポイント

復職面談で、実際に休職者が復職できるのかどうかについて見極めるポイントがいくつかあります。これらを把握しておくことは、再休職を防ぐ意味合いでも非常に重要です。いくつかのポイントについて紹介していきます。

3-1.働く意欲はあるのか

働く意欲があるかどうかを見極めることは、非常に難しいことでもありつつ、当然重要なことです。そもそも、復職面談をするということは、復帰する意欲があるということでもあります。そのため働く意欲が十分にあるとも考えられます。しかし、特にメンタルヘルスを必要とした休職の場合、企業側としても慎重にならざるを得ません。そのタイミングでは完全に回復したつもりであっても、状況次第では再度休職してしまうケースも多いためです。

まずは、面談で休職者の話をよく聞くことが大切です。もちろん必要以上のプレッシャーをかけてしまうのは得策ではありません。しかし、本当に働く意欲があるのか、働く意欲を継続することができるのかはしっかりと見極め、判断していく必要があります。

3-2.体力は回復しているか

メンタル的な回復はもちろんのことですが、体力が通常に勤務をしていたころの状態に戻っているかということも、復職に必要な条件の一つです。体力の著しい衰えは、集中力を欠くことにもつながります。結果的に不利益が生じてしまう可能性が高いと判断できる場合は、復職を延期することも視野に入れておかなければなりません。体力が回復しているかどうかは、まずは主治医の診断書や意見書を参考にしていきましょう。

そのうえで、面談時の本人の様子もしっかりと確認しておくことが大切です。顔色や表情は、十分な判断材料となり得ます。明らかな体調不良がみられる場合には、やはり復帰を延期する必要があるでしょう。また、服装や髪形もチェックすることを心掛けましょう。特にメンタル系の疾患は、身だしなみに気を配らなくなるケースも多くあります。清潔感があるかどうかは、そこまで気を回すことができる体力があるかどうかの判断基準にもなります。お互いのためにも、しっかりと意識して確認しましょう。

3-3.通勤能力はあるか

復職に問題がないと思って、いざ実際に通勤してみたとき、以前のように同じ時刻に電車にのるだけでストレスを感じたり、気分が悪くなったりする人も少なくありません。基本的な通勤能力があるかどうかを確認することは、実は非常に重要です。復職前に面談をする場合、復職をした場合をシミュレーションさせておくことも大切です。ある程度の期間、実際に同じ時間に起床し、同じルートで会社まで通勤するような通勤訓練を行ってみることで、休職者本人も現在の自分の状況をより正確に判断することができるでしょう。

また、その際にはシミュレーションの結果を記録して、提出させることも重要です。会社としては判断材料になり、休職者としてはアピール材料になります。"

3-4.規則正しい生活ができているか

規則正しい生活を送れているか、就業時間に合った生活ができているかをチェックすることも重要です。休職期間中であっても、規則正しい生活を送ることができているのかを把握するためには、生活記録表の提出などを求めるようにしましょう。起床や就寝時間はもちろん、日中の過ごし方などを可能な限り確認していきます。当然休職直後の生活記録を確認してもあまり意味がありません。直近の生活において、仕事に支障がない睡眠時間かどうか、日中は外出ができているかなどを確認することで、復帰した場合に合わせて生活が送れているかどうかの判断がしやすくなります。また、それらを確認することは、働く意欲があるかどうかの確認にもつながるでしょう。

3-5.職場に適応することができるのか

復職しても、また休職してしまうなど、休職と復職を繰り返してしまうケースも、なくはないです。そのため、復帰して職場に適応することができるのかを見極めることは、復職面談の肝といって過言ではないでしょう。職場環境に適応できずに休職したとしても、環境は変わっていない場合も当然あります。休職者本人に、そもそもの休職原因を考えさせ、本当に職場に復帰して適応することができるのかどうかを判断する必要があります。休職に関しては、本人を思いやることはもちろん大切です。しかし、それと同じくらい在籍社員に気を配ることも重要です。無理な環境変化は、在籍社員の反感を買ってしまうケースもあります。十分に注意したうえで、環境を変えずとも復帰できるのかどうかをまずは判断していきましょう。

まとめ

従業員が心身のバランスを崩し長期間仕事を休む場合、どのくらいの期間休みをとれば回復するかの判断は難しいといえます。休職者本人もいざ復帰するとなると不安も大きいです。経営者や人事労務担当者としては、復職面談を行うことは、それらの解消のためにも双方にとってメリットが大きいといえます。従業員の心身の健康のためにも早めに産業医を選任し、復職面談を実施できる体制を整えておくと良いでしょう。


産業医に関するお悩みありませんか?

エムスリーキャリアの産業医紹介サービスでは全国の医師の約9割・28万人以上が登録しているm3.comの医師会員基盤をもとに企業ニーズにマッチしたベストな産業医を紹介することが可能です。

 

全国各地の医師が登録しているため、幅広い地域の事業場に対応が可能です。
また、企業からのニーズが高い精神科に精通した産業医が多い点も特長です。

 

産業医選任後も企業の産業保健に関する継続的なサポートや窓口として産業医との業務調整などにも対応しています。

 

自社の状況に合わせて適した紹介ルートを選び、どのような産業医を選任したいのか是非お気軽にお問い合わせください。

産業医に関するお悩みありませんか?

人気記事

1

社員の健康診断は義務?企業が理解しておきたいポイントとは

健康診断は、労働者を雇っている会社が定期的に行わなければなりません。その実施は義務といわれていますが、会社を立ち上げた人などの中には、実際に対象となる労働者や健康診断の項目など、その詳細は知らない人も多いのではないでしょうか。この記事では、健康診断の概要に加えて、企業が理解しておきたいポイントについて紹介していきます。

2

2020年度から義務付けられる受動喫煙防止対策。企業の法的責任とは?

2020年4月1日より施行される健康増進法の改正によって、従業員の望まない受動喫煙を防止することが企業責任のひとつに加わりました。法律改正によって、人事労務担当者は受動喫煙防止や社内のたばこ問題解決に向け、より一層の対策が求められることになります。 本記事では受動喫煙対策関連の法案が設立された背景をはじめ、企業としての法的責任や対策についてご紹介します。厚生労働省が紹介する各種支援制度、他社事例等もご説明しますので、受動喫煙問題を検討する担当者にとってはどれも見逃せない内容ばかりです。

3

嘱託産業医への報酬はどれくらい?相場や決まりなど。

「産業医の採用コストっていくらが適正なの?」と不安に思う方は多いのではないでしょうか。 すでに産業医がいる企業でも、雇用形態を変えることでコストを抑えることもできるかもしれません。 本記事では、産業医の報酬相場や決まりなどをご紹介します。

4

病気?わがまま?若い世代に多いといわれる新型うつの特徴と対処法

従来のうつ病とは異なるとされる新型うつが、現代人、特に若い世代に増えているといわれています。新型うつについて、より詳しい内容を知っていないと、その対処に困惑してしまうケースも多いです。この記事では、新型うつとはどのようなものなのか、さらに、会社ではどのように対処していくべきなのかなどを説明していきます。

5

健康診断の再検査問題!会社は従業員にどのように対応すべきか?

一般的にはさまざまな企業において、年に一回など、定期的な健康診断が行われています。しかし、場合によっては再検査が必要な従業員も出てきます。この場合、企業はどのような対応をとればよいのでしょうか。この記事では、再検査が必要な従業員に対して会社側がとるべき対応や、健康診断を実施するうえでどのような点に注意すればよいかを解説していきます。

関連記事

時差出勤で生産性UP!導入時に企業が注意すべきポイントと効果について解説

健康管理

満員電車を回避できるとして、多くの企業が導入していた時差出勤が、新型コロナウイルス感染症の影響でさらに注目を集めています。 時差出勤はフレックスタイム制に似ていますが、どのような違いがあるのでしょうか。 この記事では、時差出勤とフレックスタイム制の違い、メリットやデメリット、導入時の課題や注意点などをご紹介します。

今注目を集める「ホワイト500」とは?認定されるポイントやメリットを徹底解説

従業員の病気

従業員が健康を損なうと、企業は生産性低下や企業イメージの悪化など、さまざまなダメージを受ける恐れがあります。このため、従業員の健康管理を経営課題としてとらえ、積極的に取り組むことで組織全体のパフォーマンスを向上する「健康経営」を目指す企業が増えてきました。 そこで注目を集めているのが、経済産業省が実施する「ホワイト500」という認定制度です。 ホワイト500に認定されると「健康経営に熱心な企業」と周知されるため、企業イメージの大幅な向上が期待できます。ほかにも社内外でさまざまなメリットがあるため、健康経営の実現を目指す場合はぜひとも認定を受けたいところです。 今回は、そんなホワイト500について、制度の概要やメリット、認定を受けるための基準や申請方法などを詳しく紹介していきます。

【人事担当者必見】休職に必要な手続きと対策とは?うつ病時の手当から復職対応まで

健康管理

長時間労働にパワハラ、サービス残業…。ブラック企業という言葉をよく耳にする日本では、精神疾患の患者数も増加傾向にあります。うつ病を患い、休職制度を利用する会社員も少なくありません。本記事では、従業員がうつ病で休職する際に人事労務が知っておくべきこと、必要な手続き、復職までの流れなどを解説します。

【社労士監修】労災とは?人事労務担当者が知っておくべき基礎知識と対応方法

従業員の病気

労働災害(労災)は労働者にも会社にも深刻な影響を及ぼします。 人事労務担当者として、絶対に間違ってはいけないことがいくつもあります。 ところが、間違った知識が蔓延っているようにも見受けられます。 人事労務担当者として確実にその業務を果たせるよう、本記事で正確な知識を身につけてお役立ていただければと思います。

【長時間労働者への産業医面談とは】どこから「長時間労働」? 「産業医面談」って何をするの?

健康管理

長時間におよぶ労働は、脳血管疾患や虚血性心疾患など、脳・心臓疾患の発症と強い関連性があることから、長時間労働者に対して企業は医師による面接指導を行わなければなりません。ここでは、何時間を超えたら「長時間労働」になるのか、面接指導を行うためにどのようなことを企業は準備しておくべきか等を解説します。

お問い合わせ

産業医の採用ついて、健康経営の取り組みについて、お困りではありませんか?
お見積り、ご相談は完全無料ですので、お気軽にお問い合わせください