catch-img

その食環境、社員の疲労度をあげていませんか?【連載vol.2】

食事で疲労度は変わる

週末はちゃんと休めたのに月曜日から体が重く感じる、睡眠時間はしっかり取れたはずなのに朝から疲れている…このように、休養や睡眠を取っても疲れが抜けないと感じるときには、その原因のひとつに“食事”があげられます。

たとえば、夜遅く食事をしたり暴飲暴食した翌日に朝から倦怠感を感じた、昼食後にダルさを感じたり眠気に襲われたりする、ダイエットに成功して体重が落ちたのはいいけれど集中力や活力まで落ちてしまった…そんな経験、みなさんも一度はありませんか?

このように、食事は短期的にも長期的にも体へ影響を及ぼします。しかし、仕事が忙しいと疲れが抜けない状態が常習化してしまい、疲れている自覚、つまり“これが自分のベストな状態ではない”という自覚すらない方も少なくありません。


「時間がないから朝食をとらない」

「ボリュームが最優先で栄養バランスは二の次」

「太りたくないけれど甘い物を食べたいから食事がわりにお菓子を食べる」


というような生活を続けていれば、疲労回復に欠かせないビタミンB群などの補給が追い付かなくなります。それ以外にも、体に必要な栄養素が不足すれば、消化吸収もスムーズにいかなくなり、疲れはどんどん溜まっていきます。


社員が選択肢をもてるように

前述したような理由で食事がおろそかになれば、社員の自己責任だといえるかもしれません。しかし、実際には、それだけでは片付けられないケースがたくさんあります。

たとえば、オフィスが高層ビルに入っていて、社員食堂がない場合。昼食をとるのであれば、オフィスから出なければいけません。しかし、昼時のエレベーターは大混雑。オフィス近くのお弁当屋さんやレストランはどこも大行列。会社として昼の休憩時間を1時間設けていたとしても、実際に食事にかけられる時間は10分もない、なんてこともありえるのです。

そうした環境下では、昼食の選択基準として“ちゃんと栄養をとれるもの”は上位にはあがってきません。会社側も、社員がランチ難民にならないようにと仕出し弁当などを導入したりしますが、多くの場合、揚げ物や炭水化物が多い安価なお弁当になりがちです。昼食時に健康的な選択肢がないに等しい、というオフィス環境は少なくありません。

社員が疲れをためにくい食環境をつくることができるのは、会社側です。価格帯に配慮しつつ、より中身が充実した仕出し弁当屋を再度探す、混雑を避けるために昼の休憩時間に幅を持たせるなど、改めて考えてみることが大切です。たとえば、 デリバリーの利用を認めることも、会社が食環境に配慮するからこそできることですよね。



会社の未来に必要な人材像から逆算して考える

スタートアップ企業などでは、人材を確保する目的もあって、カフェテリアを導入したり、健康的な食堂を作ったりと、食環境も込みでブランディングをしているところもあります。ただ、健康経営という言葉が浸透してきた今でも「食環境を整えることに力をいれています」という会社はそう多くはありません。初めての取り組みだからこそ、何から始めたらいいかわからない、という声もよく聞かれます。

そんなときには、会社の未来に必要な人材像から逆算して考える、という大きな視点をもつのも良いと思います。たとえば、体力が必要な仕事なのか、集中力が必要な仕事なのか、という違いでも環境は変わってきますよね。


まずは、メタボになりにくいランチの環境から構築

どんな企業も、社員には心身ともに健康であってほしい、というのは共通の願いです。その上で、まず現場レベルでできることから考えると、メタボになりにくいランチの環境づくりから取り組むのが現実的かもしれません。

なぜならば、“心と体に良い食事を心がけましょう”といわれてもピンとこなくても“メタボにならない食事”といえば、ある程度は目指すイメージを共有できるからです。そして、メタボにならない食事は、疲れにくい体づくり、心身共に健やかでいるための食生活の基本とも重なるからです。

疲れが溜まりやすい、もしくは溜まった状態が続くと、免疫力が落ちるので、風邪などの感染症にかかりやすくなったり、ストレスにもさらされやすくなったりします。同じ業界でみたときに、うちの会社だけメタボ率やメンタルの疾患が非常に高い、なんてお墨付きは欲しくないはずです。

次回は、企業での食環境改善の実例とメリットを具体的にお話していきます。組織規模でもできることは変わってきますし、小さな組織だからこそできることもたくさんあります。ご自身、そして、御社にとって良いヒントが得られることを願っています。


↓笠井氏の連載はこちらから
【連載vol.1】今、働き方改革で注目したいのは”働き方”に直結する社員の“食環境”
【連載vol.2】その食環境、社員の疲労度をあげていませんか?
【連載vol.3】企業における食環境改善の実例とメリット
【連載vol.4】ストレスに強くなる食事とは



笠井 奈津子(かさい なつこ)


栄養士、フードアナリスト、生活リズムアドバイザー、健康リズムカウンセラー

東京都生まれ

聖心女子大学文学部哲学科卒業後に香川栄養専門学校(現 香川調理製菓専門学校)を経て栄養士に。
都内心療内科クリニック併設の研究所で食事カウンセリングに携わる。
フリーランス転身後、“メタボとうつ”“心と食”などをテーマに講演を行う。企業研修では、数百人単位の参加者でも事前に食事記録をチェックし、労働環境、食環境にも配慮。コンビニでの選択法など、机上の空論にならないアドバイスを大事にしている。

 
▼著書
『10年後も見た目が変わらない食べ方のルール』(PHP新書)『甘い物は脳に悪い』(幻冬舎)
『子どもの「できない」を「できる」にかえる子育て食事セラピー』(河出書房)

など9冊、累計発行部数20万部。


産業医に関するお悩みありませんか?

エムスリーキャリアの産業医紹介サービスでは全国の医師の約9割・28万人以上が登録しているm3.comの医師会員基盤をもとに企業ニーズにマッチしたベストな産業医を紹介することが可能です。

 

全国各地の医師が登録しているため、幅広い地域の事業場に対応が可能です。
また、企業からのニーズが高い精神科に精通した産業医が多い点も特長です。

 

産業医選任後も企業の産業保健に関する継続的なサポートや窓口として産業医との業務調整などにも対応しています。

 

自社の状況に合わせて適した紹介ルートを選び、どのような産業医を選任したいのか是非お気軽にお問い合わせください。

産業医に関するお悩みありませんか?

人気記事

1
2

嘱託産業医への報酬はどれくらい?相場や決まりなど。

「産業医の採用コストっていくらが適正なの?」と不安に思う方は多いのではないでしょうか。 すでに産業医がいる企業でも、雇用形態を変えることでコストを抑えることもできるかもしれません。 本記事では、産業医の報酬相場や決まりなどをご紹介します。

3

産業医との契約形態にはどのようなものがあるか

産業医との契約にはいろいろなケースがあるのをご存じでしょうか? 大きく分けると、産業医と企業が直接契約するケースと、間に企業をはさんで間接契約するケースの2つの方法があります。 本記事では、多くの企業が採用する直接契約について解説します。

4
5

関連記事

パワハラ防止法遂に施行!人事労務担当者が今取り組むべき対策と定義を徹底解説

法律・制度

パワハラ防止法が2020年6月から施行されます。(中小企業は2022年4月施行) パワハラを防止するための措置を義務づける法律ですが、違反した場合にはどうなるのか、どういった措置が必要なのかよくわからない方も少なくないようです。 本記事ではパワハラ防止法の概要や必要性、注意点をわかりやすく解説します。 職場を明るく元気なものにするため不可欠なものだということがご理解いただけるかと思います。

【2020年版】2020年4月に時間外労働も適用範囲に!働き方改革関連法で中小企業は何が変わる?

法律・制度

2019年4月に施行された働き方改革関連法が、中小企業にも順次適用されていることをご存じでしょうか。2020年4月には、時間外労働の上限規制が適用されます。 今回の改正により、中小企業の会社と現場にどのような影響を与えるのかーー中小企業の人事労務担当者に向け、中小企業に適用される内容やそれに伴い企業として取り組むべきことなどをご紹介します。

長時間労働はなぜ問題になるのか?労働環境を見直すべき理由

健康経営とは

国内では長時間労働が大きな社会問題となっています。ワークライフバランスを見直す動きが活発になる中で、企業は労働力をどのようにして確保していくか、長時間労働をどうやって回避していくかを考えなければなりません。この記事では、長時間労働による問題点や回避方法の観点から、労働環境を改善する必要性について解説していきます。

低気圧で体調不良になりがちな梅雨 職場環境を改善して労働効率アップ

健康管理

暑かったり寒かったり、あるいはジメジメした天候が続く梅雨時は体調を崩しやすいものです。 イライラしたりやる気が出なかったりして仕事の能率も下がりがち。 こうした症状を指す「気象病」という言葉も定着してきました。 その原因の多くは自律神経の乱れにあります。 規則正しい生活やバランスのとれた食事、適度な運動を心がけることが大切ですが、職場環境を見直すだけで症状を和らげることも可能です。 ポイントは温度と湿度のコントロール。 職場の温度と湿度に目配りして、生産性アップにつなげましょう。

担当者必見!働き方改革関連法における産業医・産業保健の変更点

法律・制度

2019年4月から“産業医・産業保健機能”に関する内容が整備・強化されることになりました。 「関連法改正の前後で産業保健の取り組みにどのような変更があるのか?」など、ご担当者が抱きやすい疑問や懸念を解消していきます。

お問い合わせ

産業医の採用ついて、健康経営の取り組みについて、お困りではありませんか?
お見積り、ご相談は完全無料ですので、お気軽にお問い合わせください