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従業員のパフォーマンスを高めるためのセルフケアについて徹底解説

企業の生産性・健全性を保つために、重要になるのが「従業員のメンタルヘルス」です。この記事ではメンタルヘルス対策、企業におけるセルフケアの重要性や主な種類、また従業員に浸透させるための方法、「ラインによるケア」の必要性について紹介します。

従業員のメンタルヘルスの重要性

現代は働き方の変化が進み、仕事や業務に対して強い不安やストレスを感じている労働者も多いといわれています。厚生労働省が発表した「労働者健康状況調査」によると、職業生活において、ストレス等を感じる労働者の割合は約58%にも上るというデータがあります。ストレスが蓄積すると、メンタルヘルスに不調をきたす可能性があるため、注意が必要です。


万が一、従業員にメンタルヘルスの不調者が出た場合、休職や退職などのリスクが高まるおそれがあります。このような事態を招かないためにも、企業はしっかりとメンタルヘルス対策を行うのが重要なのです。また、メンタルヘルス対策を行うと、休職・退職のリスクを低減できるだけではなく、「職場の活性化」や「生産性の向上」などの効果も期待できます。


仕事のパフォーマンスを上げるには、健康な体と心が必要です。メンタルヘルス対策を行うことで従業員の意欲を引き出しやすくなり、結果として業績の向上に繋げやすくなるというメリットがあります。

意欲のある従業員


メンタルヘルス対策として必要なケアとは?

厚生労働省が定めた「労働者の心の健康の保持増進のための指針」によると、業員の精神的健康保持のためには、4つのケアをうまく機能させることが重要だとしています。4つのケアとは、「セルフケア」「ラインによるケア」、「事業場内産業保健スタッフ等によるケア」「事業場外資源によるケア」というものです。なかでも、健康経営を目指すうえで、注目されているのが「セルフケア」と「ラインによるケア」です。


「セルフケア」とは、働く人が自分自身で行うケアを指します。自らのストレスに気付いて予防・対処を行うものです。また、企業は従業員がセルフケアをスムーズに行えるよう、教育・支援することが重要だとされています。「ラインによるケア」とは、企業における管理監督者が行うケアのことです。メンタルヘルス不調の予防として、主に職場環境の把握や改善などを行います。


会社には「安全配慮義務」があります。これは、簡単にまとめると従業員に過度な疲労や精神的負担をかけて、「心身健康を損なわないように注意する」というものです。管理監督者は「部下となる従業員を管理する責任と権限」があるため、ラインによるケアを行う必要が生じます。


セルフケアの主な種類と方法

ストレスと上手に付き合うための「セルフケア」を従業員に習得させることが、メンタルヘルス対策の基本です。セルフケアの主な種類と具体的な方法について見ていきましょう。


メンタルヘルスへの正しい理解

セルフケアにおいて、まず重要になるのが「メンタルヘルスについての正しい理解」です。従業員の一人ひとりが、ストレスに関する知識を身に付け、セルフケアの重要性を知る必要があります。


企業が従業員に対してセルフケア教育を行うには、日常生活や実際の業務と関連付けて、重要性を説明すると効果的です。日頃大きなストレスを感じていない従業員の場合、どうしてもセルフケアに関する興味を持ちにくい傾向にあります。


そこで、実際にメンタルヘルスケアで問題になっていることや、具体的なリスクなどを提示するのが重要になるのです。メンタルヘルス不調は、誰にでも起こり得る深刻な問題です。自分には関係のないものという認識を取り払うためにも、身近な問題を提示し、重要性を理解させましょう。


ストレスへの気づき

日常生活や仕事などのさまざまなシーンでストレスを感じやすい現代だからこそ、自分の心身の状態をきちんと把握し、早めにセルフケアを行うのが重要です。また、セルフケアを上手に行うには、「ストレスへの気づき」が不可欠です。自分にどれくらいのストレスがたまっているのかを知るには、「日常の行動をチェックする」という方法があります。


具体的にチェックすべきポイントは、まず「食欲」が挙げられます。食欲があるか、また空腹を感じられるか、確認しましょう。次は「睡眠」です。寝付きが良いか、また途中で目が覚めることはないか、睡眠の質についてチェックするのが重要です。さらに、「趣味・娯楽」もポイントとなります。趣味を楽しめるか、満足感を味わえるかという点に注目しましょう。


もしも、これらの行動を普段と比較したときに、違和感がある場合は注意が必要です。食欲がない・眠れない・何をしても楽しくないなどの変化がある場合、体からのSOSサインの可能性があります。このような変化にいち早く気づけるよう、従業員に行動チェックのポイントについて説明しておくのが大切です。


ストレスへの対処

心身に異変を感じたときは、セルフケアとして「ストレスへの対処」を行うのが基本です。自分に合う方法で、心と身体をしっかりと休める必要があります。例えば、「オンオフのメリハリをつける」のも良いセルフケア方法です。休日は仕事のことを考えないようにするなど、メリハリをつけて生活すると良いでしょう。


また、「体を動かす」のも良い方法です。適度な運動は気持ちのリフレッシュに役立ちます。さらに、家族や友人などに「話を聞いてもらう」のも大切です。誰かに話を聞いてもらうことで、不安な気持ちが和らいだり、気分が明るくなったりすることもあります。


セルフケアを従業員に浸透させるには?

セルフケアを従業員に浸透させるには、「研修を行う」のが効果的です。社外の専門家に依頼し、セルフケアの必要性について説明してもらいましょう。専門家に依頼することで、セルフケアの認識が深く浸透し、自分の心身の状態を客観視しやすくなる効果を期待できます。


また、効果的なストレス解消法などを教えてもらうことも可能です。従業員がそれぞれ自分に合う解消法を見つけて、ストレスに対処しやすい状態になるよう、セルフケアの力をアップするためのサポートをしてくれます。


専門家に依頼するのが難しい場合は、社外の講演会に従業員を参加させ、講師役として得た知識を社内で披露してもらうという方法もあります。朝礼時などのタイミングを狙うことで、効率的に多くの従業員に向けて、セルフケアの重要性について説明することができるでしょう。


セルフケアを浸透させるには「くり返し説明を行う」ことが重要です。定期健診などの時間を活用し、従業員にセルフケアについての説明を行いましょう。くり返し重要性を説くことで、セルフケアが身近なものとして浸透していきます。


さらに、セルフケアについての記事を「社内報に載せる」などの工夫も有効です。心の健康への高い意識を維持できるよう、従業員がセルフケアに触れる機会を積極的に作るのが大切です。


「ラインによるケア」の主な種類と方法

メンタルヘルス対策を従業員に浸透させるうえで、重要になるのが「ラインによるケア」です。管理監督者の大きな役割となる「ラインによるケア」には、どのような種類があるのでしょうか。主な種類と取り組みについて確認していきましょう。


部下とのコミュニケーション

「ラインによるケア」として大切になるのが「部下とのコミュニケーション」です。日頃から部下と密にコミュニケーションを取るよう心がけることで、部下の心身の異変を早い段階で察知できます。


特に、「遅刻・早退・欠勤が増えた」「職場での会話が極端に減った」などの変化がみられた場合は、要注意です。さらに、あいさつをしたときに「表情に覇気がない」「声が小さい」場合なども気を付ける必要があります。また、普段とは異なり「ミスが目立つ」「業務効率が極端に落ちている」場合にも、言動をよく観察するように心がけましょう。


万が一、部下の様子に異変がみられる場合は、管理監督者として何らかの対応をする必要が生じます。メンタルヘルス不調が疑われる場合は、管理監督者が人事や労務担当者・産業医に相談してみる、または相談するよう部下に呼びかけてみるなどの対処法があります。心の健康を維持するには、異変に対して早期発見・早期対応を心がけるのが重要です。


部下が相談しやすい環境を整える

管理監督者は職場の人間関係や、部下の精神状態について把握しておく必要があります。これらを把握するためには、日常的に「部下の相談に耳を傾ける」姿勢が大切です。部下がいつでも安心して相談できるように、環境を整えておくと効果的です。


さらに、長時間労働や休日出勤などによって過労が疑われる部下には、個別の配慮を行いましょう。管理監督者から積極的に声をかけ、心の健康状態の把握に努めるのが肝心です。


セルフケアを促す

メンタルヘルス不調がみられる従業員には、「セルフケアを促す」のもポイントとなります。自分自身の不調には、なかなか気付かないというケースも多いものです。セルフケアをきっかけに自らの不調に気付いてもらい、上手にストレスと付き合う方法や解消法を見つけるためのサポートを行いましょう。


また、心身の不調を言語化してもらい、抱えている悩みや不安について、じっくりと話し合う場を設けるのも大切です。悩みや不安を整理するだけでも、安心感を与えられたり、心の健康維持に役立てられたりする場合があります。


参考:

職場における心の健康づくり/厚生労働省
【産業医寄稿】あなたはセルフケア出来ていますか?!/エムスリーキャリア
【産業医寄稿】ラインケアはどのように行えばいいの?/エムスリーキャリア

あなたの会社のメンタルヘルス対策/茨城産業保険総合支援センター

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